昭和時代辺りからある男性と女性とデートにいけば、男性側が奢るという風習が日本には根付いていました。
日本には男女の賃金格差があり、女性には職業の選択も限られていた背景もあって、
お金を持っている男性が奢るのは必然的ではありました。
現代は男女の賃金格差は縮小していることや、
- 「外国人カップルのデートではお互いが独立しているため割り勘で平等を守っている」
- 「最近の日本でもデートで割り勘することもあれば女性側が奢る事もある」
など多様化を進んでおり、必ずしも「デートで男が奢る」ということは無くなった。
ただ、この割り勘問題について
- 「女性側はメイクや美容にお金をかけているから男性が奢るべき」
- 「男は奢りたい人にだけ奢ればいい」
- 「奢られて当たり前という態度の人が奢られないのはそういうこと」
など 様々な意見が飛び交い、様々な著名人やタレントなども参戦しますが、
着地点がふわふわした感じなので「奢り奢られ論争」がずっと続いてままです。
奢られることは相手に従属することを意味する
贈与者は誰かに富を贈与する。受け手が与え手に利子をつけてお返しできれば両者は対等な関係を結ぶ。しかし、適切な返礼ができなければ、受け手は与え手に従属する。
「贈与の研究」では
「贈与者は誰かに富を贈与する。受け手が与え手に適切な返礼ができれば両者は対等な関係を結ぶ。返礼が出来ない場合、与え手に従属する」ことが明らかになっています。
これは割り勘問題でも「もし相手に奢られた場合、それ相応のお返しをできなければ相手に従属する」と同じように言えると思います。
(例外もあるので、必ずしも奢られて何も返礼ができないと相手に従属するとは限らないとは思いますが)
デートで男性が奢ることで金銭的には男性が損しているように感じますが、
男女間の関係では奢った側の男性が無意識に有利な立場にいることとなっています。
外国人のカップルがデートでは頑なに割り勘をしているのもお互いの関係の平等を守っているからだった…?
奢られることで立場的に相手が上に立つわけですから、簡単に奢られてしまうのも必ずしも良いことには繋がりません。
そして奢ることで関係上で有利な立場になれるなら、別に奢ってもいいのではとも思わされるので、
これからは「いかに奢らせないか、逆にこっちが奢るまでになるか」「ここは割り勘でドローにするか」ぐらいの読み合いまで発展するかもしれません。
「奢り奢られ論争」に関連するチンパンジーの実験では
野生のオスのチンパンジーは獲物の肉をメスに分け与えることがあるが、そうして肉を贈ったメスと交尾に至る確率は2倍に跳ね上がることが新たな研究でわかった。 食料を与えることでオスの交尾の成功率が上がるという仮説は以前から想定されていたが、今回の研究結果はこれを裏付けるものである。女性をディナーに誘うという伝統的なデートの形は、進化の過程で登場した行動の1つなのかもしれない。
チンパンジーの主食は植物だが、オスが狩猟をすることもある。その際にオスがメスに肉を分け与えるという行動は以前から報告されていた。しかしその理由は、推測は可能だったろうが、裏づけのある定説には至っていなかった。
コメント