「お金稼ぐ♪俺等はスター♪/お金稼ぐ♪私はスター♪」
「スタースター♪スタースター♪」「キラ♪キラ♪キラ♪キラ♪」
こんな歌詞の楽曲をどこかで耳にしたことが無いだろうか。
頭に残りやすいフレーズであるため、
あんまり知らない曲なのに気づいたら脳内再生していたり、口ずさんでいたりするが、
「あれ、そういえばこの曲どこで聴いたっけ」とふと思わされます。
「お金稼ぐ俺らはスター/お金稼ぐ私はスター」の元ネタの楽曲
「お金稼ぐ俺らはスター」を歌っている人は具体的に誰なのか?
「お金稼ぐ♪俺らはスター♪」は主にtiktokを中心にSNSで流行している楽曲で
曲名は「Megan Thee Stallion – Mamushi (feat. Yuki Chiba) 」。
Mamushiは2024年6月28日にリリースされた楽曲で、ニューアルバム[Megan]の収録曲の一つ。
Music video版は8月10日に公開されており、
最初にアップしたMamushiのMVが過激すぎたため、過激さを取り除いたクリーンバージョンも存在する。
「Mamushi」は主にSNSでダンスに使われる部分は全て日本語歌詞なので、
一見日本の楽曲かのように聴こえる部分もある一方で、日本じゃない雰囲気も漂わせている不思議な楽曲です。
「Mamushi」はMegan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)というアメリカのラッパーが
日本のラッパーである[千葉雄喜]を客演(featuring)として呼んだコラボ曲だったので、
世にもめずらしいアメリカ人と日本人が共同制作した楽曲だったんですね。
Meganのパートは英語だけでなくところどころ日本語で歌われていますが、
日本語の発音に違和感が感じられないところも違和感の正体だったこともあると思います。
Meganは日本好きとしても知られており、
彼女の他の楽曲にも日本語を使うことがあるので日本語の発音が上手いのも納得がいきます。
「お金稼ぐ俺らはスター」はなぜ流行っている?
[Megan Thee Stallion – Mamushi ]は
楽曲自体に中毒性があり、頭に残る楽曲でもあります。
こちらの楽曲は主にtiktokやinstagramのようなSNSではこの曲はダンスで使われていることが多いですが、
元々は日本人ダンサーのMONAという方が、Mamushiの音楽に合わせたダンスをTiktokに投稿したことがきっかけで世界中に拡散され、
今や一般ユーザーだけでなくMeganをはじめとした有名人や多くのK-POPアーティストなど
様々なユーザーがこちらのダンスのカバーをしています。
SNSで拡散された影響か8月3日のアメリカビルボードでは[Hot 100]で36位を記録しています。
「お金稼ぐ俺らはスター」バッググラウンド
日本好きとして知られるMegan Thee Stallion
Meganが日本語の発音が上手いのは日本好きが一つの要因となっているそうで、
日本来日時には呪術廻戦のキャラである五条悟のコスプレをしている他、
「ジョジョのブチャラティや空条徐倫」「セーラームーン」「ワンピースのナミやハンコック」「初音ミク」など
数々の日本の漫画キャラを彼女流にアレンジしたコスプレを披露しています。
また、Meganの楽曲[Otaku Hot Girl]のイントロに
「I like a tall woman with a nice big a-s. just sayin’ Like Grammy winner, Megan Thee Stallion
(お尻とタッパのデカい女の子が好きだ。グラミー賞受賞者のミーガンみたいな…)」というセリフが入っていますが、
「I like a tall woman with a nice big a-s. just sayin’ Like」の部分は呪術廻戦のサンプリングで、
虎杖が東堂に好きなタイプを答えた際のセリフがそのまま使われている。
しかも英語版の虎杖の声優を起用する程 徹底している他、
「Y’all can’t touch me like Gojo(五條ような私には誰も触れられない)」と呪術廻戦の五条や他の漫画キャラクターもリリックに入れています。
Mamushiの客演に出てる日本人ラッパーYuki chiba(千葉雄喜)とは?
千葉雄喜といえば2008年から2021年まで[KOHH]名義で活動していた日本のラッパーで、
KOHH時代は宇多田ヒカルやマライア・キャリーといった
日本だけでなく海外の有名アーティストの楽曲に客演として参加していました。
世界で広く知れ渡る日本のHip hopアーティストの一人でしたが、
KOHHとしては2020年に引退を表明、2021年からは長らく音楽活動を停止していました。
千葉雄喜名義になったのは2024年とつい最近の出来事で、
復活と共に[チーム友達]をリリースしこちらの楽曲も世界中で大バズリし大きく話題となりました。
Hip hopファンはもちろん、知っている人は知っていると思います。
千葉雄喜のチーム友達からしばらくしてリリースされたのが、
Meganの客演として参加した[Mamushi]だったんですね。
Meganは2024年3月に来日していますが、その時期は丁度hiphop界隈で「チーム友達」が大流行している最中で、
MeganのSNSでもBGMに[チーム友達]を使われていたようです。
その来日したタイミングで千葉雄喜とMeganのコネクションが出来たと思われ、
後に楽曲の共同制作の話になったんだと想像できます。
「Mamushi」といい「チーム友達」といいなぜ千葉雄喜の曲は流行るのか?
今回紹介したMegan[Mamushi]もそうですが[チーム友達]も両方海外で流行していますが、
なぜ「千葉雄喜が手掛けた楽曲はそんなにも世界中で話題になるのか?偶然とは思えない」と疑問を抱きます。
その千葉雄喜の楽曲が海外でも流行する理由は主に
- 一度聴いたら耳に残る繰りやすい中毒性のある歌詞
- 日本語がわからなくても外国人に伝わる程わかりやすい
- 時代の空気感とマッチングしている
などが当てはまります。
一度聴いたら耳に残る繰りやすい中毒性のある歌詞
HIPHOPの楽曲の歌詞はほとんど頭に残りやすいように後ろのリリックに母音を被せて韻を踏んでおり、
[Mamushi]や[チーム友達]も同様にその手法が使われています。
千葉雄喜のリリックはシンプルに同じ言葉を繰り返すことで韻を踏んでることが多いですが、
それでも頭に残りやすくなっていると思います。
日本語がわからなくても外国人に伝わる程わかりやすい
「使っている日本語が簡単だから外国人になんとなく伝わる」というのは
一時期大流行したピコ太郎のPPAPが良い例だと思います。
PPAPの場合簡単な英語とジェスチャーしか使っていないので全世界に伝わる内容だったので、
ジャスティンビーバーにも取り上げられましたし、海外でも拡散されていきました。
[Mamushi]もダンス部分の日本語歌詞は「お金稼ぐ俺らはスター(get(earn) money, i’m a star)」ぐらいしかなく、
チーム友達の歌詞も外国人に取って、だいたい雰囲気で伝わるものだと思います。
時代の空気感とマッチングしている
チーム友達はコロナ禍を経て起きた人間関係の剥離によって孤独感を感じる人に対して
「孤独感を埋めるもの」「上辺だけの付き合いで誰とも繋がっていない時代だからこそ刺さっている」とされている。
心の底ではみんなで集まって馬鹿騒ぎするような一体感を求めているからこその流行でもあったのかなと思います。
高度経済成長期には
ポジティブな気運と共にロマンチックな恋愛曲が盛り上がり
景気後退で自己内省的になったり
ゆとり世代による自己受容的なムードが生まれたり。現在はメディアの構造上「日本中が聞くヒット曲」
というものは起こりづらいが、
YOASOBIの席巻など、
現代を映し出す曲調、モチーフは時代を象徴している。その中でこの「チーム友達」が持つエッセンスと何か?
1つは「繋がりの再興」であると考える。
コロナを経験する事で象徴的になった「孤独」「分断」に対し
回復期にある今が、人々の「必要感」に刺さった可能性。
また、ネット社会による孤独への救済でもあり、
ロシアやイスラエルなど、戦争が激化する時代において
この「俺達は友達だよな」という感覚は
現代の行方に不安と違和感を持つ人々に刺さるメッセージとなった。
[Mamushi]に関しては
- コロナ禍で閉塞的になってしまった異文化交流の復興の象徴
- 暗い時代に対してのアンチテーゼ
- 彼らの勢いに乗っかりたい、パワーを分けてもらいたい
など 様々なエッセンスからこの曲は敬遠されることなく多くの人に親しみを感じさせているのかもしれません。(これは持論なので、他に要因もあると思います)
余談:私はデスノートのパロディがとても良くてこれをきっかけに知った。
私はこのデスノートの動画をきっかけに[Mamushi]を知りました。いい曲だと思います。
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