昔から「電話をしながら、パソコンで作業」のような、
仕事に置いてもプライベートに置いてもマルチタスクができる人間は優秀な人間のようなイメージを持たれていたが、
昨今ではシングルタスクの方が再評価され、マルチタスクに対しての考え方が根本から覆されようとしています。
「一つのことしか集中できず、マルチタスクができない」は当たり前だった
「タスクの切り替え」は生産性を40%低下させる
またザック氏は、タスク・スイッチングは生産性を40%も低下させ、そのうえ脳が収縮する原因にもなる、と主張しています。短時間に高速でスイッチングを行うと、脳がオーバーロードし、灰白質(「脳は『先延ばし』をするようプログラミングされている」の項)が収縮するとも指摘しています。
つまり平たく言うと、脳はひとつのことにしか集中できないのです。
『すぐやる脳』(サンマーク出版)をここまで読み進めてきてくださったあなたなら、もう納得いただけることでしょう。もともと脳は、働き者でも一途な性格でもない、省エネ志向の臓器です。
マルチタスクをやりすぎると認知症を招くリスクも
なぜ私がこれほどまでにマルチタスクをおすすめしないかというと、脳が通常よりも疲れてしまい、多くのエネルギーを消費してしまうからです。エネルギーを使うということは、当然全身の疲労にもつながります。
身近な例で言えば、「歌詞つきの音楽を聴きながら、勉強(デスクワーク)をする」というスタイルも、おすすめできません。脳は「ひとつずつ処理をする」という「シングルタスク」を好むからです。
また、マルチタスクをしようとすればするほど、ストレスを過度に感じることになります。ストレスがたまると、ストレスホルモンであるアドレナリンや、コルチゾールが大量に分泌されます。
その結果、「マルチタスクを習慣化していると、認知症の発症リスクが上がる」。そんな驚くべき研究結果も報告されています。
脳は元々省エネ思考な臓器で厳密にいえばシングルタスクしかできず、
2つ以上のことを同時にやっているように見えるマルチタスクは、
脳が頑張って別々のシングルタスクに瞬時にスイッチを切り替えているだけだとのこと。
マルチタスクをやっている傍らで脳内で行われているシングルタスクのスイッチの切り替えはかなり脳へ負担がかかっているとのことで、
同時進行するタスクが積み重ねれば重ねる程 どんどん効率が悪くなる一方に。
脳に負担もかけているので、過度なマルチタスクを習慣化していると
記憶力と注意力が大幅に損なわれ、認知症のリスクが高まる事も明かされています。
同時進行するタスクは少しずつ減らしていこう
人間の脳はマルチタスクに向かないことがわかったので、何とか同時進行するタスクを少しでも減らしていきたい気持ちはありますが、
「テレビを見ながら、お菓子を食べて、スマホをいじる」ような良く見ると日常生活にはあらゆるマルチタスクが潜んでいます。
別に進んでやってないのに気づけばマルチタスクしちゃってる人も結構多いかもしれません。
多分、完璧にマルチタスクを減らすのは難しいと思うので、後回しができるタスクは後回しにしていきたいところではあります。
人間の脳は軽度なマルチタスクならば、後に尾を引くような影響がないので、
大量のタスクを同時に抱えないだけでも十分効果は期待できます。
現代は「車の運転」といい「仕事内容」といいマルチタスクを求められる場面は多くあるので、
出来るだけシングルタスクに没頭できるような環境作りを出来るかどうかが、上手な世渡りの秘訣になること間違いナシだと考えています。
偉人にマルチタスクが苦手なADHDが多かった理由って…
坂本竜馬やスティーブジョブズのような偉人もADHDだったと明かされていますが、
ジョブズは脳のリソースを割かないようにするために毎日決まった服を着ていたという有名なエピソードがあるように、
ADHDだと判明している偉人が多いのはシングルタスクに没頭できるように注力したからなのではとも思います。
偉人の方々は「自分はこれが苦手だからその対策を打つ」ようなことを自己流でやって「後の研究でそれは正しかった」のは凄いことだと思いますが、
現代は様々な情報があり何が良くて何が悪いかわかっているので、
それを活用し自分達も短所を深く知って、それを上手く活用することで長所に生かすことも出来ると考えれば、自分自身への可能性がかなり広がります。
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