[serial experiments lain(シリアルエクスペリメンツレイン)]は当時アニメとゲーム作品が同時進行で制作されたメディアミックス作品。
ゲーム作品の[Lain]はプレステーション(PS)用ソフトとして1998年11月に発売され、
アニメ作品の方の[Lain]は1998年の夏アニメとして放送された。
[価格高騰]ゲーム版[serial experiments Lain]の値段はなぜ高い?
ゲーム版[serial experiments Lain]は発売当時、
[ファンディスク扱いで生産数が少なかった]+[生産終了したこと」で出回っていた量が少なく、プレミア価格がついています。
少し前の中古市場で2万円~3万円が相場でしたが、(それでも高い)
2022年になってからは、ほとんどのネットショップサイトで中古のゲーム版[Lain]の価格は
およそ9万円を超える値段で販売されています。(10万円を超える所も)
中古ゲームを扱うリサイクルショップではゲーム版[Lain]は6万円~7万円程で販売されています。
中古屋だとネットショップよりかは少しだけ安価でお求め出来る場所はあるものの、
[Lain]を置いている店はほとんどないかもしれません。
前提:[serial experiments Lain]が再生産、最新ハードに移植されることはない
[Lain]の価格が高い原因として「ソフトが生産終了している」「ゲームアーカイブス」でもプレイが出来ない事が大きく響いています。
その裏話について触れられたのが
[serial experiments Lain]が20周年に迎えた際にゲーム版[lain]の制作陣で行われた回顧です。
[Lain]のゲーム制作者である
- アニメ、音楽プロデューサー 上田耕行さん(プロデューサー)
- イラストレーター兼漫画家 安倍吉俊さん(デザイナー)
- 小説家兼脚本家の小中千昭さん(シナリオ)
が自身が作ったゲーム作品を振り返っていた時に、
[Lain]の続編やリメイク、移植があるのかについて触れられました。
移植,リメイク,続編は?
上田:そうねえ。実際のところゲームアーカイブスは,ハムスターさんから「出させてくれ」って言われたんだけど,自分でプレイしてもストレスあるし,被害者をこれ以上増やしても……っていうのがあってさ。そのときは断っちゃったのよ。
4Gamer:都市伝説的なところでは,「自殺などの残虐表現があるから」という噂がありますけど,そういうことではなかったと。
上田:残虐表現ねえ……今見ちゃうと,そんなに残虐じゃないよね。
思ったよりは酷くなかった!
小中:じゃあ,「lain 2」を作ろうよ。
上田:それも,lainを好きなやつが誰か,適当に作ってlainぽかったら,ハンコ押すよ。
4Gamer:実際,オマージュ作が正規ライセンスを得て続編として出るパターンは,海外ではいくつか例がありますね。
上田: 俺は,そういうやつの方がいいと思うんだよな。プロが業務として作ると妥協するし,世界観をスタッフ間の共通意識として持てなくて,歪みが出てくる。商売にすると歪みはなおさら増大していくから,インディーズというか,アングラな,同人の方が。
同人のトップクラスなんか,お客とダイレクトに接している分,自分達が作りたかったものを伝えるっていうところは長けていると思うので。
インディーズで作っちゃってくれたら,まあ幾ばくかはもらうけど,当日版権みたいなノリでさ,申請してくれたらいいんじゃねえの? なんなら,lainのデータをオープンソース化しちゃってもいいんだよ。
「serial experiments lain」の20周年を記念し,主要スタッフにゲーム版をプレイしてもらった。次作は「誰かが適当に作ったら」?より
ゲーム版Lainのプロデューサーである上田さんは
[Lain]をプレイする上で「ローディングが長い」「ビジュアルがキツい」「ストレスを抱える」等の不満を抱えており、
このゲームを買った人には申し訳無いとおっしゃる程。
プレイするとストレスがあり、これ以上被害者を増やす訳には行かないという理由で、
「ゲームアーカイブスへの[Lain]の進出を断った」と話されています。
また、続編に関しては「ファンが作ったものがクオリティ高ければ、ハンコを押す」とも言っており、
上田さんから続編を作るという可能性は無さそうだ。
ゲーム版[Lain]が一気に価格高騰したタイミングは、20周年以降に知名度が高まってから
[serial experiments lain]が20周年に迎えたタイミングで、
「Lain20周年記念のファンイベント」が開催されLainブームが再燃します。
20周年後はAmazonプライムで全話見放題になったり、ニコニコ生放送で一挙放送が定期的に行われる(特に夏季に多め)ようになりました。
[lain]のアニメを見てからゲーム版の[lain]にも興味を持った人がこれを機に多数増えたと思います。(自分もその一人)
知名度が高まった事でゲーム版のlainを購入する人が増え、益々入手困難になったことから価格高騰に繋がります。
海外でも[Lain]を知る人が増えている
スペインのヒップホップアーティスト[ヤングビーフ(YUNG BEEF)]の曲[Metallica]には
アニメ版[lain]のOP曲[duvet]を曲のトラックとして使われています。
[Metallica]の再生回数はなんと1000万再生数を超えており、日本に留まらず海外でも[lain]の知名度が高まっています。
[なんだよこのアニメ!?]と思って深掘りした人がゲーム版にたどり着いた人もいたのではないでしょうか。
[duvet]はmetallica以外にも海外ニキがremixした曲が多数あり、
元が神曲なこともあって少し探しただけでも100万再生を超える曲も少なくありません。
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