【ネタバレ注意】宝石の国を休載~最終回まで読んでの感想と考察(?)

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2012年から連載していた宝石の国は2024年4月25日についに最終話を迎えます。

フォスがとんでもない状態に陥ってから休載…それから色々ありました。

宝石の国を休載地点(95話)~最終回まで読んでの感想と考察(?)

一気読みで宝石の国を95話ぐらいまでざっくりおさらい

宝石の国は宝石達vs月人達のバトル漫画のような感じでしたが、終盤はもうジャンルや何もかもがジャンルが違います。

前半の話は割れやすいという特徴を活かしてフォスはどんどん進化を遂げて、これからフォスは活躍していくんだろう…と思いきや

後半からはフォスはおかしくなってしまい、「誰?この怖いおっさん…」となるまでに変貌します。

実は月人の頭であるエクメアことエンマが「新しい神を作るために」全て仕組んだもので、物語序盤からフォスを人間にするために動いていたと明かされています。

フォスが金剛を破壊するのももちろん仕組まれたことで、

金剛の力を受け継ぐフォスだけが地球に一人取り残され、月人や他の宝石達は月で良い暮らしを送る形となりました。

フォスが金剛の力に適応するまで1万年かかるということで、

フォスは独りぼっち、フォス以外が「良い一万年を」と楽しく過ごというす胸糞を味合わせた時点で

一旦話を切って 1年程休載に入ったとんでもない漫画です。

『宝石の国』より「作:市川春子/講談社」

自分はここの休載から復帰し始めてから宝石の国を一気読みさせていただきましたが、リアルタイムで読んでたらかなりきつかったかもしれません。

【宝石の国】フォスが神になった後に出会う石達が人間の理想の姿なのだろうか

金剛の力を受け継いだフォスは月人達に復讐して 奴隷にすることもできましたが、それをせず月人達を祈りで無に帰します。

この話の後 地球上にはフォス以外誰もいなくなりましたが、後に兄機や岩石生命体と出会い、

和やかなムードが続くので、読者のメンタルを回復させてくれます。

石たちも良い石ばかりで、兄機も普通に人間臭い良い奴で泣けてくるんですよね。

フォスが初めて出会った石は「動けるようにしたり、視界がよく見えるようにしたりするのはどうか」とフォスが提案しますが、石は「このままで不満はないよ」と今のままで十分だと言います。

この石のような考えになりたいと思いましたが、もう自分は手遅れなのかなと…

我々は資本主義社会の中で生きており、

常に比較され続け、絶えない競争社会の中で 「周り人からの評価は気にせず、自分が良ければそれでいい」のマインドを維持するのがどれだけ難しいか…

石達しかいない世界は石がお互いを尊重し、何気ないことにも褒め合って平和そのものです。

この小さなことから楽しさを見出そうとして、たまに哲学な所がぼのぼのみたいなほんわかさがあって、久しぶりにぼのぼの見て和やかな世界に浸りたいなぁと…

「僕の思う幸せはみんなの幸せ、善い人間も、悪い人間も…」「善い人間は大変で、悪い人間はかわいそう」石先輩からは名言がたくさん出てきます。

醜い人間は悪い人間の幸せを願うことはできません… マイナスにマイナスをかけたらプラスになるのは「嫌な奴が嫌な思いをしたら気分が良くなる」という考えが基本になってるんです…

それはそれとして石達の平和な日々は 住んでいる星が太陽に飲み込まれて終わりを迎えようとします。

崩壊する星からの脱出を見据えて月人(エクメア)がフォスのために脱出ポッドを用意してくれていました。あいつらもええとこあるやんと…

しかし、フォスは自分の中の人間を消しさるために星と共に消えようとしていたところ、兄機が最後にフォスの中から最後のフォスの欠片を持ち出し、石と共に星から脱出します。

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宝石の国の最終話、かつてのフォスが求めていたもの全てがある世界に

石と兄機が辿り着いた場所は楽園のような場所。石達はそこでも変わらず歌を作って遊んでいました。

フォスはもう原型が無い程の小さい欠片になっていますが、

そんなフォスが更に欠けてしまっても石達は軽くなったねと肯定して受け入れてくれます。

「軽い」という言葉はフォスが星と一緒に消える時にも何度か言っていた言葉で、強調するためにあえて何回も出しているんだと思います。

「軽くなった」のは宝石としても重さだけでなく、

かつて背負っていた責任や人間関係、承認欲求、価値観などの様々なモノからも解放されて軽くなったんだという意味も込められているとも読み取れます。

”物語序盤”と”最終回”のフォスの扱いを比べたら雲泥の差で、

序盤はフォスが欠けたり、仕事できなかったりすると宝石達にもうんざりされており、フォスが薄っすら嫌われているような嫌なムードがありましたが、

フォスの欠点であったはずの脆さも石達はなんでも受け入れて肯定的に捉えてくれます。

最初のフォスは承認欲求を満たすためにあれこれ奮闘するも何者にもなれなかったフォスが、

何をしても肯定的に受け止めてくれる石達がいる世界に来れて、救われた気持ちになったところで物語は終わりを迎えました。

作者の市川先生は「全てのものが救われる世界でも、宝石は救われず装飾になるのか」と疑問に思ったことから宝石の国を手掛けるきっかけになったとか。

宝石の国を最終回まで読んで、最終的に宝石達、月人、金剛が憎いような感情がなぜかほとんど無いのがすごいですね…というか恨んじゃ負けな気がしてなりませんでした。

洋画だと復讐最高!つってムカつく奴に銃乱射したり、拷問したりするノリですが、これが人間の醜さなんでしょうか。

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