宝石の国に込められた哲学のテーマ「死ぬために生きている登場人物達」

市川春子先生による漫画『宝石の国』は『月刊アフタヌーン』で連載されており、

2021年3月号から休載していたが、2022年6月24日発売の8月号から連載を再開している

※尚、本記事は宝石の国のネタバレが含まれているため、ご了承の程よろしくお願いいたします。

宝石の国に込められた哲学のテーマ「死ぬために生きている登場人物達」

登場人物は不老不死なため、価値観が特殊

宝石の国の世界では人間は古代生物として既に滅びている存在であり、

登場人物は人間を祖先とする

  • 宝石(人間の骨)
  • 月人(人間の魂)
  • アドミラビリス族(人間の肉)

に分けられています。

ナメクジ族以外は全員不老不死で月人に関しては「自分達が無に返る」ために行動をしています。

月人達は不老不死を堪能し飽きてしまったという永遠の命ならではの悩みを抱えており、

同じ不老不死の宝石達にも遅かれ早かれ降りかかる悩みでもあります。

ただただ生きるために行動している動物や人間とまったく逆の考え方ではありますが、

人間も突き詰めれば「死ぬために生きている」という事を見て見ぬふりし

「目の前にある問題に集中」して考えないようにして生きているのではとも思ってしまいます。

かつては人間だった「死ぬために」生きている月人達

「目の前にある問題に集中」して生きている宝石達が争っている形は

人間が「人生というものを考えた時」に最終的に辿り着く葛藤のぶつかり合いのようにも感じられます。

【宝石の国】月人は自分達人間と重なる

不老不死に辟易して、さっさと金剛先生を祈らせて「無になること」を求めている月人は人間と通ずるものがあります。

人間は不老不死では無く大して生きてはいませんが、

センチメンタルな状態で ベッドで目を瞑っていても寝れない時や、退屈な時になると

「何のために生きてるんだろう」ともたまに考える事があると思います。

人生を活気付けるために 小さな刺激を求めたり、無理やり目標を作ったりしますが

その物事に終わりを迎えたその先に待っているものは「達成感」と「虚無感」で

数年しか生きていなくても「毎日同じ事の繰り返し」に疑問を持ち始める人は少なくないと思います。

しかも人生は楽しい事ばかりではなく、

生きていればあらゆる苦しみがあるという仏教の「四苦八苦」という言葉のように苦しい事ばかりが待っており、

じゃあ「生きてても良い事ないじゃん」と萎える人もいます。(昔よりは良い時代ですが)

「なぜ人は生きるのか」という話題になったらファイアパンチの話題を出してしまいますが、

この漫画は「苦しくても 生きる理由が無くても とりあえず生きる」という人生の本質をわからせてくれます。

宝石の国は仏教をモチーフにした漫画のため色々考えさせる

宝石の国の作者の市川春子先生は、本作品の発想の土台には仏教の思想が込められているとも話されています。

宝石の国の世界は「仏教の地獄」という話もあり、月人の代表が後に「エンマ」と名乗る事から合点がいく所があります。

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